今回は『ZERO to ONE』というアメリカのカリスマ経営者・投資家であるピーターティールという方の本の書評です。
この本はピーターティール自身が執筆したのではなく、彼がその母校であるスタンフォード大学にて講義をした内容を本にしたというものです。
この本を読んだ結論としてはこれから起業しようと思う人は起業なんて辞めた方いんじゃねえの?ということです。
具体的なプランなしに起業する人は頭がおかしい
起業したいという人は日本でも結構いるようです。
しかしピーターティールによると「何をしたいのか分からないなら起業なんてしない方が良い」だそうです。
日本人によくあるのがとにかく起業してお金持ちになりたい、とか一国一城の主になりたい(笑)というような漠然とした思いで安易に起業してしまうことです。
私は別にお金持ちになりたいという人をバカにしたい訳ではありません。
しかしピーターティールの言うように、
「やりたいことがないのに起業する人は頭がおかしい」
と思います。
ピーターティールによるとほとんどの人は具体的な計画が無いのに起業して失敗するそうです。
起業してあなたは何をしたいのか?どんな強みがあって成功するつもりなの?そういった具体的なものが一切ないのにも関わらず、例えば「お金が欲しいから起業する」ということは頭がおかしい人のやることのようです。
日本だとそんな人ばかりなイメージがあります。後付けでいろいろイノベーションウンタラカンタラ言うのですが全く信じることができません(笑)。
スタートアップ病
最近では日本でもスタートアップ病が蔓延していて訳の分からない二番煎じをスタートアップと言っては立ち上げて一切儲かっていないみたいなことがまかり通っているように思われます。
これはやはりピーターティールが言っている0から1にするということが分かっていないのではないか?と思います。
儲かりそうだと思ってからやり始めてもすでにライバルがいっぱいが居て、後はお互いを削り合って競争して全滅するのが常です(笑)。
儲かりそうだからといって飛びついても遅いということでしょう。でも今日も何か儲かりそうな話はないかな?と探している人がいますよね~。
でもそんなことを思って起業するのは最悪だっていうことをピーターティールは『ZERO to ONE』でそこはかとなく言っていると思います。
私も「儲かること何かないかな~」と日々探し回ったり、飲み歩いて何か「美味しそうな情報」を嗅ぎ回っているような人がいると聞きます。本当にそういう人に『ZERO to ONE』を読んで欲しいですね。
ぶっちゃけ、
センスがない、教養がない、頭がおかしいので今すぐビジネスを辞めるべきだ!と思い知る可能性が高いと思われます。
みんな大事なことを見失っている
ピーターティールは起業をするほとんどの人が大事なことを見失っていると言っています。
それは先にも書きましたがやりたいことがないのに起業しようとしたり、またITがバブルだから自分も参入しようと思ったり、もう自分の頭で考えることができなくなっていると指摘しています。
これはバブルに踊らされたり、根本的に何か勘違いをしているということを言いたいようです。
ピーターティールはアメリカ人にしてはかなりまともな人物だと思います。こういうタイプのアメリカ人は珍しいです。
まとめ『ZERO to ONE(ピーターティール)』
詳しい内容は読んでもらいと思います。
結局この『ZERO to ONE』という本は起業のバイブルという側面はありますが、私からするとピーターティールの政治的な見解を述べた内容になっていると思います。
というのもピーターティール自身がスタンフォード大学在籍中に学生新聞スタンフォード・レビューを創刊して保守派の論客としてずっとそこに関わっていたという経歴の持ち主です。
論説の進め方もおよそシリコンバレーの住人らしからぬ超ド文系な論客風の筆致であるという点が特徴的です(ピーターティールは哲学専攻)。
ピーターティールのトランプ応援演説の内容もメインストリートのメディアの論調とは真逆であり現実のアメリカの姿や経済状況を端的に表した内容であったのも印象的です。
とにかくこの本は起業本・ノウハウ本として見るなら非常に政治的な内容に傾斜していてピーターティールの政治的信条がよく表れている本です。
おすすめ度…★★★★(5点満点)